私の好きなクジラの話をします。ヒゲのあるヒゲクジラ、体の大きいザトウクジラ・シロナガスクジラ、口の形が特徴的なセミクジラ。中でも私はマッコウクジラが好きです。
名前の由来となるマッコウとは、古代で珍品とされた龍涎香(りゅうぜんこう)[マッコウクジラの体内でまれに作られる結石]が、抹香の香りに似ていることからそのまま名前になりました。
丸みのある頭の中には脳油という脂質があり、この液体は25℃になると固まります。頭の上にある鼻の孔から海水を吸い込み、脳油を冷やして固めて比重を大きくすると錘(おもり)の代わりになります。この脳油によってマッコウクジラは垂直に潜水・浮上を行うことができます。
この脳油のしくみのすごさに私はびっくりしました。古くは生存競争にやぶれて深海のイカを主食とするようになったと言われているマッコウクジラですが、環境に適応するため体内にこんな器官をつくり出す適応力、生命力、すごい。
マッコウクジラはクジラの中でも潜水能力に特化していて、生涯の3分の2を深海で過ごすと言われています。人間が容易に入ることのできない深海で、彼らは捕食以外になにをしているのか。
また、クジラ全体でいえますが、彼らは高い知性を持っていると言われます。何を見て何を感じ、何を考えているのか。気になります。
いつかホエールウォッチングに行って、本物のクジラを見てみたいと思っています。
F.S